税理士との面談で、この質問に答えられなかったら即アウト

「先生、最近どうですか?」「いやあ、景気は相変わらずですねえ」

経営者であるあなたは、毎月、あるいは数ヶ月に一度繰り返される、こんな不毛な会話に貴重な時間と金を浪費していないだろうか。税理士との面談を、ただの世間話や当たり障りのない報告会で終わらせてはいないか。

元国税調査官である私、黒田金太郎から言わせれば、それは面談ではない。単なる「茶番」だ。多くの経営者が、白衣を着た医者を前にした患者のように、税理士を「先生」と崇め、萎縮し、本当に聞くべき核心的な質問を投げかけられずにいる。その結果、無能な税理士に気づかぬまま、会社の成長機会を奪われ、無駄な金を払い続けているのだ。

この記事を読んでいるあなたには、そんな愚かな経営者でいてほしくない。これから紹介するのは、税理士の能力と覚悟を丸裸にする、いわば「踏み絵」のような質問だ。この刃を懐に忍ばせ、次の面談に臨め。そして、相手が答えに窮したり、はぐらかしたり、あるいは逆ギレするようなら、その場で契約書を破り捨てるくらいの覚悟を持つべきだ。あなたの会社の未来は、その質問一つにかかっている。

質問①:未来会計への姿勢を問う「この決算書から、来期、我々は何をすべきですか?」

まず、あなたの税理士が単なる「経理代行屋」なのか、それとも真の「経営パートナー」たり得るのかを判別する、最も重要な質問から始めよう。決算書を前に、こう問いかけるのだ。

「この決算書を踏まえて、来期、我々の会社は何をすべきだとお考えですか?」

この質問の意図は、税理士が過去の数字を整理するだけの「過去会計」に終始していないか、その先の未来を見据えた提案能力があるかを見極めることにある。多くの無能な税理士は、この質問に対して、小学生並みの感想しか述べることができない。

回答パターン評価本性(心の声)
ダメな回答即アウト(数字をまとめるのが俺の仕事だ。未来のことなんて知るか)
「売上が前期比で10%伸びてますね、素晴らしいです」
「ちょっと広告宣宣伝費を使いすぎじゃないですか?」
「うーん、まあ、この調子で頑張るしかないですね」
良い回答合格(この数字を元に、どうやってこの会社を儲けさせるか、それが腕の見せ所だ)
「販管費率が昨年より2%改善しています。この要因は〇〇なので、来期はさらにここを強化し、営業利益率を5%まで高める目標を立てましょう。そのための具体的なアクションプランは…」
「自己資本比率が30%を超え、財務の安全性が高まりました。このタイミングで〇〇銀行に融資を申し込み、新規事業である△△への投資を始めるべきです。事業計画書の作成は私がサポートします」

ダメな回答しかできない税理士は、あなたの会社の数字を「過去の記録」としか見ていない。彼らにとって決算書は、税務署に提出するためだけの書類だ。一方、良い回答ができる税理士は、決算書を「未来への航海図」と捉えている。どこに暗礁があり、どこに宝島があるのかを読み解き、船長であるあなたに進むべき針路を示す。

あなたの税理士は、ただの記録係か、それとも航海士か。この質問一つで、その本性は暴かれる。

質問②:資金繰りへの執着を問う「納税予測は、何ヶ月前に、どのくらいの精度で教えてくれますか?」

会社は赤字では潰れない。金がなくなった時に潰れるのだ。これは経営の鉄則だ。そして、予測可能な最大のキャッシュアウトこそが「納税」である。この納税額を事前に把握し、資金繰りに組み込む手助けができない税理士は、経営のパートナーとして失格だ。

そこで、次に投げるべき刃はこれだ。

「消費税や法人税の納税額は、具体的に何ヶ月前に、どのくらいの精度で予測を知らせてくれますか?」

この質問は、税理士があなたの会社のキャッシュフローに対して、どれほどの当事者意識と執着を持っているかを測るリトマス試験紙となる。資金繰りに無頓着な税理士は、決算が締まり、申告書が出来上がる直前になって、平然とこう告げる。「社長、今期の納税額、〇〇〇万円です。来月までに納付をお願いします」と。

こんなことをされては、たまったものではない。納税予測ができない、あるいはしようとしない税理士が、いかに経営を危機に陥れるか、その悲劇をリストアップしよう。

  • 突然の納税通知による資金ショート:他の支払いと重なり、黒字なのに資金が枯渇する「黒字倒産」の引き金を引かれる。
  • 高金利の融資への依存:慌てて銀行に駆け込むも、足元を見られて不利な条件の融資を飲まされる。あるいは、ノンバンクやビジネスローンといった高金利の資金調達に手を出し、財務内容をさらに悪化させる。
  • 本業への集中阻害:常に資金繰りの不安に苛まれ、経営者が本来注力すべき事業戦略や営業活動に集中できなくなり、精神的に追い詰められる。

この質問に対して、「勿論です。弊社では決算日の3ヶ月前には95%の精度で予測額をお伝えし、納税資金の準備について具体的な対策を一緒に考えます」と即答できる税理士こそが、あなたの金庫番を任せるに値する。

もし、あなたの税理士が「いや、それは決算を締めてみないと何とも…」「ギリギリにならないと正確な数字は…」などと口を濁すようなら、それはあなたの会社の資金繰りを破綻させかねない「時限爆弾」を抱え込んでいるのと同じことだ。一刻も早く、その危険物を処理しなければならない。

質問③:守銭奴根性を問う「顧問料以外に、追加で費用が発生するのはどのような場合ですか?」

税理士業界の報酬がブラックボックス化していることは、以前の記事でも指摘した通りだ。その闇を利用し、経営者をカモにする「守銭奴」のような税理士が後を絶たない。彼らは、最初の契約時には安い顧問料を提示しておきながら、後から何かと理由をつけて追加料金を請求してくるのだ。

この悪質な手口から会社を守るための質問がこれだ。

「現在提示されている顧問料の範囲はどこまでで、どのような場合に追加で費用が発生するのか、具体的に教えてください」

この質問は、税理士の料金体系の透明性と、あなたに対する誠実さを試すためのものだ。まともな税理士であれば、サービス内容と料金の範囲を明確に定義した契約書や料金表を提示し、丁寧に説明するはずだ。しかし、やましい心を持つ税理士は、この質問をされると途端に歯切れが悪くなる。

彼らが使う、典型的な追加請求の手口を暴露しておこう。あなたの税理士がこれらを「別料金」だと言い出したら、即刻アウトだ。

悪質な追加請求の手口税理士の言い分(本音)カウンターとしての質問
年末調整・償却資産税申告「これは月次の顧問業務とは別ですから(手間がかかることは別料金にしたい)」「これらの定型的な年間業務も、当然、顧問料の範囲内ですよね?」
税務調査の立会い「調査の立会いは精神的にも大変なので、日当10万円はいただきます(顧問先のピンチは稼ぎ時だ)」「税務調査は顧問税理士の責任の範囲内。当然、追加料金なしで最後まで立ち会ってくれますよね?」
融資相談・事業計画書作成「融資が下りたら成功報酬として20%いただきます(銀行に出す書類を作るだけで大儲けだ)」「融資の相談や計画書の作成も、経営支援の一環として顧問料の範囲でやってもらえますか?」

料金体系の明確化を渋ったり、「その時々で相談です」などと曖昧な答えに終始したりする税理士は、あなたの会社を「金のなる木」としか見ていない。彼らは、あなたの無知につけ込み、あらゆる機会をとらえて金を搾り取ろうと画策しているのだ。

契約書にハンコを押す前に、金の切れ目が縁の切れ目とならないよう、この質問で相手の守銭奴根性を徹底的に暴き出せ。

質問④:覚悟と当事者意識を問う「税務調査で意見が対立した場合、どこまで我々のために戦ってくれますか?」

税務調査は、会社にとっての一大事だ。そして、その最前線で経営者の盾となるべき存在が、顧問税理士である。しかし、悲しいかな。多くの税理士は、いざという時に経営者を守るどころか、いとも簡単に税務署側に寝返る。「税務署のスパイ」と揶揄されても仕方のない連中だ。

彼らの覚悟と当事者意識を試す、最後の刃がこれだ。

「税務調査において、我々の主張と税務署の見解が対立した場合、先生はどこまで我々のために戦ってくれますか?」

元国税調査官だからわかるが、税務調査は交渉の場だ。法律の解釈には幅があり、白黒つけがたいグレーゾーンは必ず存在する。そこで、いかに顧問税理士が経営者の代わりに、論理的に、そして粘り強く主張できるかが、追徴税額を大きく左右するのだ。

しかし、戦えない税理士は、調査官の指摘に対して早々に白旗を上げ、経営者にこう囁くのだ。

  • 「ここで争っても時間と費用の無駄です。早く修正申告に応じて終わらせましょう」
  • 「税務署が言うことですから、従っておいた方が後々のためですよ」
  • 「もし否認されたら、延滞税もかかって、もっと面倒なことになりますよ」

これらはすべて、税務署との面倒な争いを避けたいだけの、彼らの保身からくる言い訳に過ぎない。彼らは、あなたの会社の利益よりも、税務署との良好な関係を維持することを優先する。なぜなら、その方が次の調査で手心を加えてもらえるかもしれない、などという淡い期待を抱いているからだ。

この質問に対して、「もちろん、法律と事実に基づいて、社長の正当な権利が守られるよう、最後まで徹底的に戦います。必要であれば、不服申し立てや税務訴訟も辞しません」と、力強く答える税理士でなければ、あなたの背中を預ける資格はない。

あなたの税理士は、共に戦う「戦友」か、それとも敵前逃亡する「裏切り者」か。この質問で、その本性を見極めろ。

まとめ:質問は「刃」だ。無能な税理士を斬り捨てろ

4つの質問を突きつけて、あなたの税理士、あるいは税理士候補は、どう答えただろうか。もし、一つでも答えに窮し、あるいはあなたを失望させるような回答をしたのなら、もはや躊躇する必要はない。その関係は、即刻、断ち切るべきだ。

思い出せ。税理士は「選ばれる」立場であり、経営者であるあなたは「選ぶ」立場なのだ。知人の紹介だから、家が近いから、昔からの付き合いだから…そんなくだらない理由で、あなたの会社の未来を危険に晒すな。

「良い税理士」は、黙って待っていても、向こうからやって来ることはない。経営者自らが、この記事で授けたような鋭い「刃」を携え、探し出し、試し、そして見極めるのだ。そして、一度パートナーとして選んだならば、今度はその税理士を「育てる」という気概も必要だ。あなたの会社のビジョンを熱く語り、高い要求を突きつけ、共に成長していく。それこそが、真のパートナーシップである。

さあ、今すぐ次の面談のアポイントを取れ。そして、その刃を、ためらうことなく相手の喉元に突きつけるのだ。あなたの会社を次のステージへ導く、本物のパートナーを見つけ出すために。

黒田金太郎

元国税調査官であり、その後、大手税理士法人で富裕層や大企業向けの税務コンサルティングに従事。しかし、中小企業の経営者が一部の質の低い税理士によって不利益を被っている現状に義憤を感じ、独立。現在は、中小企業経営者専門のセカンドオピニオンとして活動する傍ら、ブログで情報発信を行っている。国税と税理士法人の両方の内情を知り尽くした、業界の「異端児」的存在。

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